君との期待値
「それより何にもないの?」
目をキラキラさせて私を見る。
美波がこんな楽しそうに質問するのはあれしかない。
でも、
「なにが?」
っと、あえて知らん顔する。
だってめんどくさいんだもん。
答えはいつも変わらないし。
「もー。拓真くんと赤羽くんに決まってるでしょ」
出た。やっぱりこの質問。
「あんなかっこよくてモテモテの2人に毎日囲まれて転んでちゅーとかないの?」
ちゅーって……。
そんなマンガみたいな。
相変わらず美波の妄想大爆発。
「ないよ。そんな下心があって園芸部入ってるわけじゃないし」