君との期待値
両目を隠すように片手を覆う。
赤羽くんの表情は見えなくて、静かに動く唇だけが気持ちを表している。
「亜姫が本当に頑張ってんのわかってたのに、いい加減に部活してて……悪かったよ」
何を伝えたいのか国語の弱い私にはいまいち掴めない。
分かるのは彼が何かを謝っていることだけ。
「どういう……こと?」
「元カノ……香坂が、園芸部だった」
届いた声はかすれていた。
小さくはないけれど秋風にかき消されそうな声。
「香坂は花が大好きだったんだ。
だから、どっかの園芸部に入れば会えるかもしんねえ、そう思って入った」