逢いたい時に貴方はいない
下っぱくんは
どうやら、都会の雰囲気についていけなくなって田舎に帰るらしいんだけど 支店長には何から何までよくしてもらって尊敬していると言うことを伝えたかったみたいで…
いつもより酔いが回っているようで何度も同じ話をする下っぱくんだった。

「じゃぁ今日は呑むかぁ~」と勢いづいたとこでボトルを手にすると、ボトルはもう空だった。


「ボトルもらっていい?」

『あ、俺じゃなくて支店長に聞いてみて』と下っぱくんに、呆気なく言われた私は、逆の隣の人に伝言を頼んだ。
「支店長にボトル貰っていいか聞いてくれますか?」

『ああ、いいよ
秋山さん!ボトル空いたらしいっすよ』

『ああ、好きなだけ勝手にいれとけ~』

!!!


秋山さん!?


支店長は秋山さん?


じゃぁ ネックの
山崎さんは誰?



「ねぇ、ネックの山崎さんって誰のこと?」
下っぱくんに私は聞いた。


『のぞみちゃんの隣の毎回来てる一番顔がカッコイイ人が山崎さん』
(イケメンのことだ)
「でも、店の人は支店長のこと山崎さんって言ってたよ」

『支店長がよく使う手なんだよ。本名教えたくなくて、いつも自分のこと山崎だって言い張ってるんだよ』

「本当は秋山さん?」

『よく知ってたね』

「え?いやぁー今隣の人が支店長呼ぶ時に言ってたの聞いただけ…」

(あれ?私…何隠そうとしてんだら?名刺をとられたのしってんだから 別に連絡きたって言ってもいいわけじゃん?)



謎のMailと
謎の電話と
さっきの電話は
全て秋山さんだっていうことが解明した。
と…同時に、
のぞみのさっきの落ち込んだ顔が頭を過った。
このまま私が連絡やりとりしたら
指名替えなんてことになったら
のぞみの奴、大変なんだろうな。


でも、罪悪感と同時に何故か嬉しい気持ちがあったのは
自分でも、ビックリだった…


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