thermos

変化の朝

キングロスは唯一残ったベットに由沙をうやうやしく乗せると、体に残る生々しい傷跡に丁寧に舌を這わせた。


数十分後には、由沙の体は綺麗になった。

しかしキングロスは吸血衝動に息を荒くしながら堪えていた。


何故かと言うと、傷口を塞ぐ時まだ流れていた由沙の血を何回も舐めてしまったからだ。

吸血鬼にとって由沙の血は一級品だ、少しでも味を知ってしまったら下級のヴァンパアなら相手が死ぬまで飲み干してしまうほどの……。


キングロスはユエを呼ぶと、由沙にネグリジェを着せて寝かせるよう指示をした。

《マスター大丈夫ですか?瞳孔も開いていますし、無意識でしょうか唇を切ってご自身の血をお飲みになられてますが?》


《あぁ…悪かったな。 流石の私も限界だ、誰でも良いから人を二人程用意してこちらに連れてきてくれ》

《御意、それでこちらのお部屋の家具は?》

《新調してくれ、この部屋は気に入っているんだ》




《畏まりました》


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