夢信号
なんだかイライラしてきた。

なにさ!

脅かそうとしているのね?!


卑怯なのよ!
足音だけってのが!


「姿くらい見せなっ!」


思わず声に出てしまった。


しかし発言に対しての答えもなく、一向に足音は鳴り止まない。


シカトですか!


はぁ~・・・。

見えない相手にビビんな自分!!


これは夢!


そうそ~う、夢で片付けちゃえばへっちゃらだーい!

そう信じ込むと、自然と恐怖感も和らいできた。


うひひ。


夢と分かればこっちのもん。



「どーせ夢だろーっ!」



早く正体見せやがれっての。







「ヨクワカリマシタネ」



耳元で掠れたような囁きが聞こえた。



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