カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 肩で息をしながらあかりちゃんらしき人物を探した。


 二人組みの女子高生が自動改札口を抜けてやって来る。


 あっ、そうか。顔も知らない見ず知らずの相手に会うのは怖いから友達を連れてきているという可能性も。


 私は慌ててホワイトローズの髪飾りを右耳の上の辺りにつけた。

 派手だからかしこまった場所じゃないとちょっと恥ずかしい。


 人目につくはずの髪飾りを視線に捉えても二人組みの女子高生は私の横を素通りしていく。


 まさかプラットホームにいるんじゃ……。


 私は自動改札口から階段を下りた。


 一番下の段を下りると目を瞑って鏡の前を走り去る。

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