カワイイ娘のカ・ガ・ミ


 途方に暮れていると階段から見覚えのある人影が下りてくる。


「ジュン?!」

 私は思わず声を上げた。


 純子は私を見ると、階段の踏面で立ち止まる。


 片手にはケータイ。


 2人の距離は20メートルもなかったけれど、やけに遠く感じた。


「ジュンがあかりちゃんだったの?」


「ミキのほうこそあかりちゃんじゃないの?」

 お互い尋ねあって不信感を振り払おうとした。

< 232 / 255 >

この作品をシェア

pagetop