俺のココ、あいてるけど。
「げほっ!げほっ・・・・!」
「登坂君、どうしたんだ? いきなり咳き込んだりして・・・・」
「いえ、何も・・・・げほっ」
「・・・・本当か?」
長澤に礼を言ったついでに、いつもの場所で一服をした俺。
そこで先に煙草を吸っていた鮮魚担当の山下さんと一緒になった。
だけど、もらった煙草に火をつけ一口吸うと・・・・強かった。
山下さんに背中をさすってもらいながら、改めてパッケージのミリ数を確かめる。
・・・・8ミリ!?
俺は3ミリだぞ、長澤。
「無理して吸うなよ? 普段吸わない煙草だと具合悪くなるぞ?」
「いや、これだけは・・・・」
「・・・・?」
せっかく長澤が初めて買ってくれた煙草なんだ、せめて1本だけでも最後まで吸いたい・・・・。
そうして、不思議そうな顔の山下さんを横目に、げほげほ咳き込みながら煙草を吸った。
長澤には言わないでおこう。
お前が買った8ミリのマイルドセブンでこうなったことは・・・・。