俺のココ、あいてるけど。
 
「はぁ、はぁ・・・・あ、モッサ君!どうしたの!?」

「悪いな、急に」


スーパーに着くと、モッサ君は車から降りて片手を上げた。

元気がない。

やっぱり何かあったんだ・・・・。


「長澤、走ってきたの? 足下、泥が跳ねて大変なことになってるけど」

「あ、うん。だって・・・・」


だって電話の声、変だったんだもの。走らないわけにはいかない。

心配しないわけないじゃん。


「やっぱり長澤はそういう奴だよな。ありがとう」

「ううん。それはいいんだけど、本当は何かあったんじゃ──・・」


そう言いかけたあたしを遮って、モッサ君は話を進める。


「さっきの電話じゃあんなことを言ったけど、実際には来ないと思ってたんだ。嬉しかった。あ、濡れるから車に入って」

「・・・・うん」


モッサ君の車の中は、登坂さんよりずっとごちゃごちゃしていた。

キーホルダーにゲーセンのぬいぐるみに、漫画本や雑誌・・・・。

なかなか本題に入らないモッサ君に不安を抱きつつ、そんな車の助手席に腰を下ろした。
 

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