俺のココ、あいてるけど。
 
“つい”そう言ってしまうと、モッサ君は長いため息をついた。

諦めたような、どうにでもなれ的な・・・・そんなため息。


「ごめんって、モッサ君。明日はちゃんとフォローするから」

『どうだか』

「本当だって!」


どうやら“つい”にだいぶ深手を負ったらしいモッサ君。すねて口数が少なくなってしまった。

反対に、あたしはなんとか機嫌を取ろうと頑張ったんだけど・・・・。


『ふ〜ん』


そう冷たく言われる始末。

バカだなぁ、あたしって・・・・。

また休日の登坂さんが見られることに浮かれちゃって、モッサ君の気持ちまで考えられなかった。

“子どもだなぁ”って、なんだか悲しくなってくる。


すると・・・・。


『あれ? 本気で怒ったと思ってんの? 冗談だって!楽しみにしてるから!』

「えっ!? 怒ってないの?」

『ふっ。素直すぎるんだよ、長澤は。“つい”からかいたくなるんだよな〜』

「・・・・!」


と、こんな仕返しが待っていた。

やっぱりあたし、子どもだ・・・・。
 

< 222 / 483 >

この作品をシェア

pagetop