俺のココ、あいてるけど。

　
◆誠治side.*:･ﾟ



ここ１週間、前にも増して長澤は元気がなかった。

俺のせいであることは言うまでもないが、新たに加わったモッサと梅村綾のこと。

それが長澤の元気のなさに拍車をかけているようだった。


あの日、梅村綾から聞いたことは本当だったんだと実感する。

もちろん、信じなかったわけじゃない。梅村綾の目は本気だった。

けれど、本当なんだという確証がない分、時間が経つのを待つことくらいしか情けない俺には思い当たらなかった。


何を思ったのか、梅村綾は数日前からあんなに慕っている長澤と距離を置きはじめた。

考えがあってのことだろうが、それが余計に長澤には痛いようで。


ちゃんと食べているのだろうか、ちゃんと眠れているのだろうか。

そう心配になればなるほど、それでも長澤はいつも通りに周りに振る舞おうとして････。

俺は何度も“もういいから”とその細い体を抱きしめたくなった。





“痛々しくて見ていられない”

意味合いは多少違うだろうけど、モッサの言う通りだと思った。