俺のココ、あいてるけど。
おわび、おわび・・・・何だろう?
泣いているところを見てしまったおわび? それとも、ちょっと冷たくしたからっていうおわび?
・・・・分からない。
「あ──・・」
“何のおわびですか?”
そう聞こうとしたけど、登坂さんはもう休憩室を出るところで。
“おわび”の意味も分からないまま、あたしはコーヒーを飲むことになってしまった。
「若いっていいわねぇ。さっそく登坂さんにおごってもらって。私なんて家で作ったお茶ばっかり毎日飲んでるわよ〜」
席に戻ってコーヒーに口をつけようとすると、この前のパートさんがあたしの隣に座った。
ほかほかと湯気の立つカップを覗き込みながら、そう言う。
「いえ・・・・」
「登坂さん、けっこう冷たい人でしょ? でも、少し前はそうでもなかったのよ」
「そ、そうですか・・・・」
登坂さんが出ていったドアに視線を向けながら、コソコソと言うパートさん。
「なんでも、長くつき合っていた彼女に浮気されたらしいのよ〜」
「は、はい・・・・」