俺のココ、あいてるけど。
 
そうして俺は、麻紀を抱きしめてしまった日から告白に至るまでのことを事細かに話した。


すぐに追いかけたが、時すでに遅く長澤はモッサにしがみついて泣いていたこと。

それから長澤はモッサとつき合いはじめることになり、一度は諦める決心をしたこと。

それでも諦めきれずにいたところに、梅村綾やモッサや、店長の助けが入って、ようやく告白までたどり着けたこと。


「遠回りさせちゃったのは私のせいだね。本当にごめん。どうしてあのとき、私・・・・」

「もういいんだ、終わったことなんだし。こういう言い方は麻紀を傷つけると思うけど・・・・」

「ん?」

「同情・・・・というか、好きだった人が弱っているのを見て、昔の感情が出てきた・・・・というか」


どう言ったらいいのだろう。

頭の中では答えが出ているのに、それを言葉にして伝えるのはひどく難しかった。

どうしたって傷つける言い方しかできそうにない俺は、そこで言葉に詰まってしまった。


こんな言い方じゃ、長澤にも麻紀にも失礼だ。

ただの気の多い男の言い訳になってしまう。
 

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