俺のココ、あいてるけど。
 
「ちょっと煙草吸ってきていいですか? 何かいい案が浮かぶかもしれません」


もう一度ため息をつくと、俺はそう断りを入れた。

一服すると案外閃くもの・・・・と俺は勝手に思っている。

でも、本当は吸いたいだけ。


「どうせ吸いたいだけなんだろ? 登坂の魂胆なんて丸分かりだ」

「あ、はは・・・・すみません」


店長は履歴書から俺に目線を移して左端の口元を少しだけ上げる。

俺は苦笑いだ。・・・・店長には嘘はつけないと思った。





「ふぅー・・・・」


店長に多少の憎まれ口を叩かれつつ、それでも外に出た俺。

コーヒーを飲みながらの一服は、体に悪いと分かっていてもやめられない。ふぅーと煙を吐くと、心が落ち着く。


「新しく、ったってな・・・・」


長澤は気にしていたようだが、あれは誰のせいでもない。

俺や店長が直接「辞めろ」と言ったわけでもないし・・・・“自然”なことのように思う。

だからそれはもういい。

もういいが・・・・。


「ん〜」


やっぱり悩む。
 

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