死のトランプGAME

ルール

「Free Old maid?フリーババ抜き?」


フロア内にいる人たちがざわついた。

個人で立っている人もいれば何人かグループになっている人もいた。

もし陽一が自分の部屋をでていかなかったら、今ここに2人で立っていただろうと圭介は思った。

一人じゃなく二人ってことだけで物凄く心強い。

そして、フロア内のざわつきを、スピーカー越しの声がかき消した。

「今手元に持っている封筒を開け、中身を取り出せ。」

ビリビリと、封筒を破く音がフロア内に響く。テスト開始時に問題用紙をめくるときの騒がしさに似ていた。

中には、赤字で文字画書いてある黒い紙と、トランプ4枚が入っていた。

「ルールが書いてある紙とトランプが入っているだろう。その封筒に入っているトランプが”Free Old maid”で使う手札だ。他人に見せたら失格となる。」

トランプを見せ合おうとしていた数人が慌ててトランプを伏せた。

「では、その”Free Old maid”のルールを説明する」
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