今日の・・・
 その後、ろくに眠れないまま私たちは大学へ向かった。
「ごめんね、眠れなかったなぁ」
横を歩く夕実に話しかけた。
「ううん、一人だったらもっと大変だっただろうから・・・。これ、いつまで続くのかなぁ」
夕実はポツリとつぶやいた。
「直接本人に聞かないと駄目だね。なんか、腹立ってきた」
「聞くって・・・?」
「谷君にさ。・・・その前に一つ、はっきりさせておかないとあかんねんけど、夕実、谷君のこと本当にいいねんね?このまま終わらせても・・・」
「あり得ないから、一秒でも早く終わらせて」
夕実は語気を強めて言った。

 教室に入り、私たちは窓側の一番後ろの席についた。私は教室を見渡して谷君がいないかどうか確かめたが、まだ早い時間のせいもあってか、生徒はまばらだった。
「谷君に、何を聞くの?」
夕実が少し不安そうに聞いてきた。
「何って、あれが誰なのか。昨日さ、ちょっと顔がはっきり見えたからさ、特徴言えば心当たりあるんじゃないかと思って。夕実は、何か気付いたことない?」
「う・・・ん、なんだろう。怖くて見ないようにしてるから。・・・・あ、でも、香水の臭いがきつくて、姿が消えても残り香で気分が悪くなった」
夕実は顔をしかめた。
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