愛してるの魔法


それは突然やってきた。


「えっ!?」

「今度さ、買い物つき合ってくんない?」


入学してからずっと友達でいたけど、高校生活も残り僅かになった今日、初めて美人君から誘われた。

初めての約束。


「もう、卒業じゃん?俺さ、卒業式の日に…」


ああ、そうだね…。


「告白しようと思って、さ。」


やっぱり‥‥。


「そっか!!プレゼント買うの?」

「卒業したら、離ればなれじゃん?もし…もしもさ、付き合えた、ら…渡したいなって。」


はにかんでる目の前の彼は皮肉なくらい、格好よく思えた。


「付き合える前からプレゼント買うのってキモい?」

「そんな事ないよ。わかった、いいよ。」


私は軋む胸の音を感じながら、不安そうに聞いてきた彼に笑顔を作った。
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