そのメール
暗闇に包まれる町。



その中に浮かぶのは

まるで血を溢したように赤く染まる満月。


それと
俺以外の誰かの人影。



そいつが言うんだ。

「憎い相手がいるんだろう?」

淡々と

「さぁ、僕に………を送って」

よく、聞き取れなかった…。


「そうすれば…」

そいつがニヤッと笑った。
剥き出しになった前歯が、月明かりに照らされてギラギラ光る。



「僕が殺してあげるよ」




< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop