斜め前の君
1章-怖い人-
春――


出会いと別れの季節。

始業式も終え、新しい3年のクラスに荷物を持ち移動する旧クラスメイトたち。


その中に私、村野梨沙(ムラノ リサ)も例外なく混じり廊下を歩く。


肩には鞄と体操着、手には教科書たち、という大荷物を抱えて……




「うぅ…重い。辛いよぉ」

「梨沙はいつも荷物多すぎなんだよー。もうちょっとで教室着くんだから我慢しなさーい。」

「愛美のいじわるー」


荷物を抱え、よたよたと歩く梨沙の横を軽やかににこにこと歩くのは林愛美(ハヤシ アイミ)。

梨沙と今年も同じクラスで、無二の親友でもある。




「ほら、もう教室だからねー」


「早く教科書置きたい」


5階の3年生の教室に付き、愛美がガラリとドアを開ける。


教室に居た生徒はまだ少なく、多少の話し声はあるもののクラスは静かだった。


「席どこだろー」


と言って愛美は黒板に張り出されている座席表を確認しだした。

梨沙も共に確認し、席に荷物を起きに行く。


梨沙の席は、窓側から2列目の一番後ろの席だった。ちなみに愛美の席は3列目の一番後ろである。



「やった!隣だね。」


等と会話しつつ席へと向かう



梨沙は荷物をたくさん抱え、よたよたと歩きながら……

それは梨沙の席まであと少し、という所だった
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