年上彼氏*短編*
ふざけんな。
お前なんかと一緒になんか居たくねぇ。
強くそう思うが、口に出来なかった。
もし断ったら多分…
「夏希ちゃん、ボロボロになっちゃうよ?」
“俺が守る”
そんなことは容易く言えなかった。
そんなこと言って守れなくて傷つくのは夏希だ。
結局、弱いんだよ俺は。
「…本当に今日だけでいいんだな?」
俺の問いに女はニッコリと笑って頷く。
怪しいくらいに。
「ええ、約束する。帰りは教室に居てね」
そう言うと女は俺に背を向け去って行った。