年上彼氏*短編*


ふざけんな。

お前なんかと一緒になんか居たくねぇ。


強くそう思うが、口に出来なかった。


もし断ったら多分…


「夏希ちゃん、ボロボロになっちゃうよ?」



“俺が守る”

そんなことは容易く言えなかった。


そんなこと言って守れなくて傷つくのは夏希だ。



結局、弱いんだよ俺は。




「…本当に今日だけでいいんだな?」


俺の問いに女はニッコリと笑って頷く。

怪しいくらいに。


「ええ、約束する。帰りは教室に居てね」


そう言うと女は俺に背を向け去って行った。


< 7 / 18 >

この作品をシェア

pagetop