きっとここで君に出会うために
「よーし」
「わぁっ」
しゃがんだ状態から一気にあたしを抱き上げる。
「うおっ」
かなりきつそうで、ちょっと顔を歪めている。
「重いんなら無理しなきゃいいのに」
「いいのー」
まだきつそうな顔をしていたけど、その体制に慣れたのかニコニコしている。
「‥‥ありがとね」
うん、なんか改まって言うと恥ずかしいね。
「うん」
でも、こいつが笑って頷いてくれたらそれでいっかって思う。