きっとここで君に出会うために



「うあっ」


「わっ」



急にあいつの腕の力が抜けて、

あたしの体があいつの体にもろにぶつかった。


その拍子であいつが尻餅をつく。



「うおっ、いった」


あたしが上に乗っているからかなり痛かったんだと思う。


「わー、ごめん、大丈夫?」



「大丈夫ー、俺頑丈なのだけが取り柄だから」



「馬鹿だから頑丈なんだろうね」



「えー、響ちゃんひどい」



あははって声を上げて笑った。


なんか元気出た。


お母さんと向き合える気がした。


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