きっとここで君に出会うために
すでに帰る準備を終わらせていたから、
すぐに教室を出る。
一応愛弓にだけは、ばいばいと言っておいた。
愛弓は何か言いたそうだったけど、
気づかないふりをして手だけを振った。
校舎から出ると雲の隙間から光が射しこんでいた。
天使のはしご。
今日はなんだかいいことがある。
なんだかそんな気がした。
頭の中にあったもやもやもいつの間にかなくなっていて、
機嫌がよくなったあたしは小さく歌を口ずさみながら公園への道を歩いていった。