きっとここで君に出会うために
「わっ」
ちょうど公園から一歩出たところで腕を捕まれ後ろによろめく。
ぐっと背筋が伸びる。
恐怖で体が固まった。
「響ちゃん」
後ろから聞こえた、
今聞きたくて聞きたくてしかたなかった声にバッと後ろを振り向く。
「え?」
見えた大きな胸にちょっと驚いた。
ゆっくりゆっくり顔を上げると会いたかった顔。
「響ちゃん会いたかった」
ニコニコしているのにどこか真面目で、
笑えばいいのか、真面目に返したらいいのか解らなくなる。
「こんなところで何してるの?」
「‥‥‥」
なんだか実際に会ったら恥ずかしくなって言えない。
「ん?」
腰を曲げて覗き込まれる。
「‥‥会いたかったの」
「え?」
「なんか会いたくなって、ここにいたら会えるかと思って」