ストロング・マン


「あ、2人にちょうど報告したいことがあったんだ。
私結婚決まったから。」


「えー!おめでとう!
よかったねえ!」


「ちょっと、俺なんにも知らないんだけど?」


奈美は大学時代から付き合っている彼がいて、同棲していることは前に会ったときに聞いていた。
話を聞く限りとっても穏やかそうな人で、はっきり物を言う奈美とバランスが取れていて、すごくお似合いだという印象を受けていた。
何より親友の素敵な話を聞くことが出来て、本当に私も嬉しい。

奈美が修也に経緯等を話して、修也も友人の嬉しい報告を聞けて顔が綻んでいる。


「奈美、おめでとう。」

「ん。なんだか2人にこんな話するの照れくさいね。」


へへっと笑って頬をぽりぽりとかく奈美は女の私から見てもとてもかわいい。
黒髪ショートヘアの奈美は性格がはっきりしていることもあって、周りからきつめに見られることもしばしば。
さらに顔立ちがとても整っている美人のため、近寄りがたいと言われていたことも知っている。
そんな奈美を落とした旦那さんは、なかなかにすごい方だ。


奈美の珍しいのろけ話を一通り聞いた後、


「郁は尚さんとどうなのよ?もう結構経つでしょ?
そんな話出てないの?」


急に自分に話を振られて、どうしようかと狼狽える。2人の視線がすごく痛い。
・・・この2人になら本音話してもいいか。


「付き合いはまあ、今まで通り、というか。
でも、結婚とか、よく分かんなくて。正直私は結婚とか考えてない。」


「んーそっか。
まあまだ若いし、焦らなくていいんじゃない?」


奈美は私の性格や今までの恋愛遍歴を知っているからか、これ以上深く追及することはなかった。
おかげで助かった。
ただ、横からの修也の視線がなぜかすごく痛かった。



< 22 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop