ストロング・マン

私、片山郁(カタヤマ イク)の恋愛のスタンスはいつもこんな調子。
一応彼氏の高城 尚(タカシロ ナオ)はいるが、自分のやりたいこと(とはいっても漫画とかだけれど)や仲のいい友達の方が大事だ。
ベタベタするのも好きじゃないし、ペアなんてもってのほか。
連絡は最低限だし、返事を返さない時だってある。

毎回これじゃだめだなとは思ってはいるが、付き合い方を変えるのはなかなか難しい。
というかそこまで気持ちが恋愛に対して持ち上がらない。

なら付き合わなければいい、彼氏作るのやめたら?と言われることもしばしばで。それはその通りだと思う。
でも私の場合、付き合うときには「この人なら本気になれるかも」と思えるのだから余計に質が悪い。
一応好きから始まってはいるのだ。

そして相手の悪い部分や自分と相いれない部分が見えてしまうと途端に冷めてしまう。そして別れる、というのがここ数年のお決まりのパターンだった。



「この人とはこの先どうなるんだろ」



こんなことを考えながらご飯を食べ終えて時計を見ると12時半。よし、いつも通り。
ブランケットをしっかりと足にかけ、机に突っ伏す。
この30分が至福のお昼寝タイムだ。


社内で私以外にこんなことをしている女子を見たことがない。
我ながら女子力はどこかに落としてきたなと思う。
でも何時に帰れるか不透明な部分もあるのに、そんなに頑張ってばっかりいられないし、自分のやりたいようにやる、がモットーだ。恋愛に然りね。

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