ストロング・マン

12時になったことをPCの画面右端に表示されている時計で確認し、くーっと伸びをした。
私の勤めている会社は12時から13時までの1時間がお昼休憩だ。
その間は外に食べに行くもよし、社食もあるためそこでもいい。
だが私は、外に毎回食べに行くにはお金がかかるし、社食はとても混雑していて落ち着いて食べれないため、専らお弁当だ。
とはいえ、バランスを気にしたような女子力溢れるようなお弁当ではなく、
お弁当の大半を冷凍食品が占め、申し訳程度にミニトマトがちょんと入っているようなお弁当だ。

そんな悲しいお弁当を開きながらスマートフォンを見る。
無料通信アプリに彼から連絡が入っていた。


-------------------

今週末の都合はどう?

-------------------


その内容を見て、少しの間思考を巡らす。

-------------------

午後からならいいよ

-------------------

特に午前中予定があるわけでもないが、せっかくの休みなのだからゆっくり寝坊したい。
そんな意味がこもった返事だった。

そういえば、今週末新巻発売だったかも。

ふと思い出した大好きな少女漫画の新巻発売に、一気に早く読みたい気持ちが高まった。



「・・・やっぱり会うのやめればよかった」

< 3 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop