カケヒキ

二学期

書き忘れていたが唯が死んだのは一学期後半。衣替えも終わって中体連も終わって、もうすぐ夏休みだって時。

それから重い気持ちのまま夏休みに入った。
部活も勉強も両立できなくて最悪な夏休みになった。

なにより唯を殺したという事実から逃げたくなった。
現実逃避したかった。

相変わらずあの人達は楽しくてたまらない夏休みを過ごしているらしく、この前海に行こうと誘われたが丁重に断った。

私があの人達のご機嫌取りをしているような感じがして嫌な気分になった。
同じ人間で大体身分も一緒で同年齢で、それで関係に差が着くのはおかしいと思う。
少なくとも私は。

これでひねくれ者だと思われても結構。
私はそういうふうにしか物事を客観的に見れないから仕方無い。


人を愛して自分を愛して、人から愛されるなんて
ただの理想だ、と改めて感じた。

そういう人間社会になっていけば良いが、何より人間は感情の持ち主。時に役に立ち、時に厄介になり、時に凶器にもなる。それは簡単に人を殺してしまえるほどの危険物。

あの冷酷な人達も私も、これを読んでいる貴方も、常にそんな爆弾を抱えて生きている。
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