Replicant・Lover's-L No.6 もうちょっと後日談
「こちらで再生されますか?」

再び起動プログラムのジンに急かすように問われ、

「はい」

とあたしは不安に駆られながらも返事をした。

「あなたの名前を教えて下さい」

「リッカ」

「『リッカ』でよろしいですか?」

この何の感情も籠っていないあたしの名を呼ぶ声に、ますます不安は募る。

そう、彼はいつも無表情のようだったけど、それは自分で感情を殺していたから。

あたしを呼ぶ時は、もっと優しい声だった。

今だから、わかる。


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