グレフルフレーバー
 和也と敏男は高校バスケをなめていた。二人はそれぞれ中学の頃にはチームの中でも実力がある方だったからだ。だがそれも高校に来ればなんて事ないレベルなのだ。

二人は悔しそうに、ぐっと奥歯を噛んだ。

渡来はそんな二人の様子を見て、満足そうに笑うと、二人の頭を鷲掴みした。

渡来は二人を押さえた事に満足したわけではなく、二人にそこそこの実力がある事と、負けん気の強さを見た事に満足していた。

「歓迎するよ、一年坊主!」

渡来はとても楽しそうな顔で笑っていた。
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