桃色の1ページ
あいつを近くに感じたのは、雨の日だったっけ。
中1の夏。
「あ〜、雨だあ」
「やっべー、傘忘れてきた」
「えーーー、あたしも持ってきてないよぉ」
「仕方ないから走って帰るぞ」
未だに一緒に帰ってたあたしたち。
お互いに傘を忘れたせいで、走って帰ることにした。
「ねえー、ちょっと雨宿りしようよ」
もう雨に当たるのは構わない。
けど、ずっと走ってるから疲れちゃったよ。
その時に雨宿りに使った場所。
それが、あの桜の木の下。
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