モノクロ

「なんでそんな風に思うの?」

自分でも、声のトーンが下がったのが分かった。


「一人になると、あたしばっかりが、九条さんのこと好きなんじゃないかって…不安になるんです。」


バカだな、涼子は。
そうやっていつも自分が悪いと言い出す。

俺が大嫌いな、涼子の悪い癖。



「…俺も涼子と会えなくて寂しいよ。」

「だったら…なんで電話もメールもくれないんですか。」





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