モノクロ
ピンポーン ピンポーン
部屋に戻ろうとすると、インターホンが鳴った。
「はーい。」
もしかしてママかな?
あたしはチェーンを付けたまま、ドアを開けた。
そこには、ママの姿が。
あたしは急いでチェーンを外した。
「…今日ってバイトじゃなかった?」
「ん…熱出た。」
あたしは軽く答えて、部屋に戻ろうとしたら、ママが腕をつかんだ。
「…熱?」
ママはスリッパをはくと、買い物袋を床において、あたしの額に触れた。
「もう下がったから大丈夫だよ。」
「涼子は油断するとまた熱出るんだから…ちゃんと寝てなさい。」
そう言うママは看護師の顔。
そして病気が治った今でも、まだ過保護だ。
あたしは、黙って部屋に戻った。