好きだから、別れよう。









……これは、夢…?








夢じゃないよね……?








「アヤ、返事は?」



マサキさんの綺麗な顔立ちが、私の顔を覗き込む。



「…ぇ…ぁ……お、お願いしますっ……」





マサキさんは、ふぅ〜と息をはいて、小さく「よかったぁ」と呟いた。



そして、私に右手の小指を差し出した。




「…浮気、すんなよ」




……浮気!?

突然の言葉に、動揺してしまう。




「しっ、しませんよ!マサキさんこそ、浮気しないでくださいよ!」




「するわけないじゃん。…じゃ、約束。」





差し出されたマサキさんの小指と、

私の小指が、



優しく絡まった。







「これから、よろしく」









私達の新たな『約束』を、

ウサギキティちゃんだけが

そっと


見守っていた。









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