先生

玄関には、同じ学校を受けた由香里と佐恵子、先に私立に進学が決まっていた百果が彩花を待っていた。
「あ!彩花きたー!」
三人が彩花の姿に気付いて駆け寄った。
「佐恵子と由香里、、、どうやった?」
二人は顔を見合わせた。
「彩花は?」
「あたし?、、、じゃあ、三人で一緒に言お!せーの!」
「「「合格!!!」」」
三人の声が揃った。
それと同時に、四人で抱き合った。
長かった今日まで。
勉強と面接練習ばかりだった。
それが、やっと終わった。

四人で一通り騒ぐと、とりあえず玄関の段差にみんなで腰をおろした。
「本当よかった〜」
「長かったねー」
「うん。でもさ、あたし達は受かったけど、きっと落ちちゃった人もいるし、教室での会話とか、、、あんまり受験のことは口にはできないね」
「うん」


そう。受かった人もいれば落ちた人もいる。
彩花たちはとりあえず、卒業までの残り10日を悔いなく楽しもうと笑いあった。
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