先生




「あ、もしもし、〇〇中学校の西本といいます、、、」

相手がそこまでいうと、彩花は数秒固まった。そして、思わず吹き出してしまった。

「え、、、」
先生は、突然笑いだす電話相手に困ったような声をだした。

彩花は電話の向こうで困っている先生を想像してさらに笑った。

「ぷっ、アハハハハッ!先生あたしやで(笑)彩花」
彩花は、さらに笑った。
きっと先生今頃ため息ついてるんだろうな(笑)
「なんや、彩花かあ〜。ビックリしたわ。なんか突然笑いだすから(笑)」
「だってなんか、先生の声とかしゃべり方がいつもと違っておもしろかったんやもん(笑)」
「うっさいわ(笑)」
久しぶりに聞く、、、といっても5日ぶりだけど、久しぶりの先生の声。
彩花の頬はにんまりと緩んだ。
「てか、どしたんですかー??今って部活中やんなー??」
そう言って、彩花は壁にかけてある時計に目をやった。
「お母さんなら今出かけてていないんですけど、、、」
「いや、お前に用があってかけてん」
「えぇっ!!あたしっ?」
先生の言葉に彩花は驚きの声をあげた。
先生があたしに用?
ていうか、なんか・・・めっちゃうれしいっっ。
「彩花さあ、今日なんか予定ある?」
「な、ないけど」
受話器ごしに聞こえる先生の声に、なんだか耳がくすぐったい。
「もしよかったら、気分転換にでも部活しにこーへんかな思て」
先生の言葉に彩花は目を輝かせた。
「いくっ!」
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