先生
彩花は急いで支度をすませると、外に出た。

よかった。先生まだきてない。
早くなった心臓を落ち着かせるように、深呼吸みたいなため息がでた。









数分前
「いくっ」
勢い良く答えた彩花に西本先生は少し笑って
「じゃあ、彩花ん家まで迎えに行くわ」
そう言って電話を切った。

先生が、あたしを迎えにくる!?

予想外かつ幸せすぎる展開に彩花は、嬉しさよりも驚きがあった。
でも、それは次第に嬉しさと、心臓の高鳴りに変わっていった。


早く先生に会いたいな。

頭に浮かぶことはそれだけ。
1分でも、一秒でも早く先生に会いたい。

彩花は、ソワソワして逸る気持ちを落ち着かせることはできなかった。





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