先生
「そりゃあ、変わるやろ。先輩がきたら、後輩なら誰だって嫌やもん。気ぃ使わなあかんねんから」
彩花は呆れたように、笑っていった。
「だから、違うって。あいつらはみんな、特に二年はお前が来たことを本気で喜んでた。」
先生の言葉で、二年の後輩達が頭に浮かぶ。
先生の言葉を聞いて、すごく嬉しくなった。
先生は続ける。
「それにな、彩花が来たことでバレー部内が明るくなったと俺は思う。彩花も知ってるやろ?今のバレー部の二年と一年があんまりうまくいってないのは。」
「うん。今日も練習見てたけど、全然会話ないよな、、、」
そう。今のバレー部は、日に日に強くなっていっているのに、二年と一年はぎくしゃくしている。彩花達三年と二年は会話もあって、和気あいあいとしていたのに、今のバレー部にはそれがない。
「でも、今日は彩花が来て、練習とかも進んで声出して盛り上げてくれたから、いつもより全然よかった。彩花おらんかったら、すっげぇ静かなんさ」

そう言って、先生はコートを見つめた。

先生、相当困ってんやな。

先生の表情を見て、すぐわかった。

なんだか、言葉にできない思いが心をしめつけた。
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