先生
トイレにつくと、百果は辺りをキョロキョロ見て、真剣な顔で彩花を見た。
「え、な、何?」
彩花の表情はさらに強ばる。
「彩花ってさ、今好きな人いる?」
「えぇ!?どしたん急に(笑)あたしおらんよ〜(笑)百果ならそんなことぐらい知ってるやろ〜(笑)てか、百果こそどうなんよ〜☆田辺とより戻したりしやんのー?」
彩花は笑って返した。でも百果の表情は崩れない。
「彩花、私に隠してることない?」
彩花の顔からも笑顔が消える。
それを見て百果が続ける。
「別にな、隠してることがあるって事にたいして怒ってるとかじゃないねん。誰にだって話したくないことぐらいあるし。ただ、彩花はいっつもひとりで溜め込むから、すごい心配やねん。」
言葉がつまってでてこない。
もしかして百果は、あたしが西本先生を好きなことに気付いたの、、、?

「別に話してくれやんくてもいい。でも、あんまひとりで溜め込んだらあかんで?いつでも話きくしな!」
そう言って百果はトイレを済ませると、何もなかったように彩花に声をかけた。
「そっちのクラス、佐恵子とかと喋ってんのやろ?はよ戻ろっ」
「あ、うん」
彩花は頷くと、少し先を歩く百果を追い掛けた。
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