ホワイトデーの復讐



「今からお前を襲うのも、俺がお前が好きだから。…って言ったらいいワケ?」

『それは困る!』



心の準備というものが…



「それにコイツ、ただもんじゃねぇから。ちょっとくらい痛い目見てもらった方がいーの」



ただもんじゃねぇって……こ、このおとなしそうな感じの子があ!?


っていうか…



『ちょっと離れよう?その子について話し合おうじゃないの』



押し倒されたままだと、あたしの心臓がもたないんです!



「話ならこのまま出来る。…俺の理性が飛ばない限り」

『安心できないって!ゆっくり話したいし!ね?』

「ゆっくり?じゃあソファーよりベッドの上の方が……」

『余計危機感増すわあっ!』



さっき…なんら変わりなく接してくれる、とか言ったけど……


コイツ、確実にエロくなってる!いや、むしろこっちが本性!?


そんなことを考えてるとき、


ヴーヴー



「…ちっ」



本日二度目の舌打ち。


彰の携帯が着信を知らせた。


心底ホッとするあたしに、ムカッとした表情を向けてから、



「はい」



めちゃめちゃ怒ってる感満載の声で電話に出た。



「あ?別に怒ってねーし」



めっちゃ怒ってんじゃん!マンガだったら完璧に怒りマークついてるって!!



「今?1人じゃないけど。は?来るの?無理。邪魔すんな」



お友達かな?



『別によくない?用事なんじゃないの?』



あたしが彰の袖を引っ張ってそう言うと、



「………。」

『ひッ…』



すっごい睨まれた。



「だから自覚足んねぇっつってんのに…」



ため息混じりに呟いた。



「あ?こっちの話だよ。わかった、今から来い」



そう言って、携帯を閉じた。




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