ひまわり
「「やった~!!」」
「神崎、ありがとー!」
「さっすが汐莉ちゃん!」
あたしが頷いたとほぼ同時に、みんなが歓喜の声を上げる。
「え??え??
何がどうなってこうなってんの??」
「だからぁ……」
みんながニヤッと不気味な笑みを作ると…その言葉は矢のようにあたしの胸を打ちのめした。
「「汐莉(神崎)がボーカルやってくれるなんて!!」」
ぽかーん
今のあたしの状態を表すのにピッタリすぎる一言。
てゆか……みんな練習してたみたいに揃ってるし。
気持ち悪いくらいにハモってるし。
ん…と?
あたしがボーカルやってくれるって?
ボーカルって歌歌うやつだよね。
ふーん、そうなんだぁ。
………って。
「ええええええ?!」
教室が割れんばかりに響いたあたしの声。
みんな口々にやっと決まった、帰ろうぜ、などと呟きながら教室を出ていこうとする。
「はっ?……ふざけて…」
「汐莉、歌上手いんだからいいじゃん♪」
みんな人事みたいに教室からぞろぞろと出ていく。
いや……あたしやりたいなんて一言も言ってないのに。
みんな薄情者!!!
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