グリーン・ロード

広間

目の前には
この通路の
出口らしき
開けた一室が見える。


(思い出すのは後回しだ。
まずはここを突破して、
落ち着いてから・・・

・・・んぐっ!!)


進めば進むほど、
近付けは近付く程、
更に身体の自由が
効かなくなる。


(ぐぐっ!もう少し・・・
もう少しなんだ。
う・ご・・けっ!!)



オレは、渾身の力を込め
身体を引きずり、
そして転がり
なんとか辿り着いた。




(はぁ。はぁ。
・・・ここは・・・??)


今だに動きの鈍い
身体を起こし、
四つん這いのまま
顔を上げて見ると・・・


およそ
10メートル四方の一室。


そこは、相変わらず
一面緑色のタイル張りで
薄暗かった。


始めに目が覚めた場所に
戻ってきたのかと
錯覚を起こす程だ。


ただ気掛かりなのは、
空間が揺れているように
見えるということ。


目を凝らして見てみると・・・






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