天使への判決

このクラブは、俺のような下っ端の人間が来るようなところではない。


一晩遊ぶと、数十万円があっという間にとんでいく。


以前、組のアニキに連れて来られた事があるが、それ以来、一度も顔を出した事がない。

と、いうより来る事なんて出来ないのだ。


『会員制ソフィア』

そう書かれた重厚な木製の扉がそれを物語る。



こんな機会でもないと、若い衆達に、アニキとしての威厳を保つ事が出来ない。


「今日は豪遊だ」

若い衆を引き連れた俺はそう言って、重厚感のある扉の中に入っていった。




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