天使への判決
生まれてこの方、優しいとか、温かいとかいう言葉には無縁だった。
俺がまだ小さい時に、別の男と駆け落ちした母。
「お父さんと一緒に暮らそう」と言う姉貴の言葉を無視して、俺はそんな母親に着いて行く事を決意した。
母親に無理矢理ついて行った俺は、邪魔者以外の何者でもなかった。
毎夜、隣の部屋から聞こえて来る母の喘ぐ声…
俺は、耳を塞いで眠りに着く毎日が数年続いた。
そんな二人のお荷物のような俺は、相手の男は勿論、大好きだった母からも邪険に扱われ、次第に心を閉ざすようになった。
中学校に上がると同時に、俺のストレスは『ケンカ』という行為で発散されるようになった。
目立った奴を見つけては、誰彼構わずケンカを吹っかける。
昔から備わっていた運動神経の良さと、負けん気の強さで、俺はあっという間に近隣の学校を全てシメていた。