この想いを君に…
「睦海が知樹を引き離している…」

ファイナルラップに突入してますます総一の手が震えた。

シャツの下の体は気持ち悪い汗をかいている。

少しずつ、知樹が離されていた。

まさかこんな所で睦海の才能が開花するとは。

あと少し、バンク角があれば。

本当の父親とフォームが一緒だ。



総一はじっと最終コーナーを見つめていた。



二人とも、無事に戻ってきてくれ。



やがて。

青のマシンと青いヘルメット。

…睦海だ。
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