この想いを君に…
「お前と子供の面倒は俺が見るから。
あんな奴とは早く別れてしまえ」

祥太郎の腕の中で梓ちゃんは小さく頷いているのが見えた。

「…だから、お前が離婚したら俺と結婚してくれる?」

祥太郎は梓ちゃんの顎をそっと手で上げて顔を見た。

梓ちゃんはぽろぽろと涙をこぼしながら

「祥ちゃん、ありがとう。
こんな私で良かったら…」

その言葉にようやく祥太郎は笑って満足そうに頷いた。

また、フロアーに大歓声と拍手が鳴り響いた。



空には。

美しい花火がいくつも上がって。



この日の事は一生、忘れないと思う。
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