この想いを君に…
「真由にはね。
高校の時に本当に大好きな人がいたんだ」

総一は一瞬、天を仰いだ。



目の前には見えないはずの柏原 拓海の姿を思い描く。



「二人は高校を卒業したらすぐにとはいかなくても結婚の約束をしたんだ。
二人とも、ちゃんとお互いの親には報告してた。
でも…」

総一は俯いた。

これ以上、口を開けば。

涙がこぼれそうだったから。
< 57 / 503 >

この作品をシェア

pagetop