この想いを君に…
「高3のクリスマスイブに、彼は私の目の前で、車に追突されたの」

真由が顔を上げて続きを話出した。

苦しいのを我慢して、3人に聞かせる。

「…今でも。
その温もりは忘れてない。
最後に言った言葉も。
まさか、あんな風に死んでいくなんて思いもしなかった」

真由は再び手で顔を覆った。

「…拓海くんが死んでから。
私の体がおかしいのに気がついていたけれど。
死んだショックだと思っていた」

真由は頭を左右に振って

「まさか妊娠しているなんて思ってもみなかった。
しかもそれは間違いなく。
あの事故の日の…最後の彼との繋がりだったから」

まさか子供の前で。

こんな事を言うとは思ってなくて一瞬、隣にいた総一は目を丸くして真由を見つめた。



「妊娠している事に最初に気がついたのはそーちゃんだった。
顔見知り程度の私を病院にまで連れていってくれたけど…」

真由はそっと顔を上げて総一を見つめる。

泣いた後が酷くて、総一は真由の頬に掌を当てて親指で涙の跡を拭いた。

真由はその手に自分の手を重ねて、大丈夫、と合図すると総一の手を掴んで下ろした。
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