この想いを君に…
「…あの、バカ」

総一からそんな言葉が出るとは思わず、真由も3人の子供もギョッ、としている。

「俺、追い掛ける!」

知樹が立ち上がると

「いいから、放っておいたらいい」

「でも、パパ…」

「睦海も、もうそれなりに自分の行動を考えなくてはいけない。
あんな背の低い童顔が夜、フラフラ歩いていたら補導されるよ」

確かに、総一の言う事にも一理はあるけど。

「補導されるような事があれば次のレースには出さないから。
そんなバカな奴はマシンに乗せない」

知樹は凍り付く。

「やっぱり、俺、探しに行く!」

と、立ち上がったけれど。

「お前もそれで補導されたら出さないよ」

総一の目は真剣だった。
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