この想いを君に…
7.逃避行の果てに
「悠斗も入ったら?」

何とか…置かれていたバスローブを身に纏い、ベッドの方に出たあたし。

悠斗は真剣な様子で天井を見つめていたけど。

あたしが部屋に入って来て慌てて起き上がる。

「うん、じゃあ」

そう微笑む悠斗を見て、ドキドキする。

やっぱり、今のあたしでは。

悠斗を諦めるなんて不可能なんだ。

「先に寝てていいからね」

悠斗はあたしの頭を撫でるとお風呂に向かった。



やがて、水の流れる音が聞こえて。

あたしはため息をつく。



つい2年程前までは。

よくお互いの家に泊まって一緒にお風呂に入ったりしてたから。

いつの間にか。

あたし達の身体も大人に近付き。

それも許されなくなった。



…でも、悠斗とは許されないのに。

血も繋がっていないパパとは。

今でもたまに一緒にお風呂に入るのは。

おかしい。

ま、パパだけでなくママも知樹も泰樹も桜も。

あたし達家族はたまーにみんなでお風呂に入るから。
何の抵抗もなく。



うん、抵抗がないから。

悠斗とお風呂に入るのも抵抗がない、あたしはね。

でも悠斗は。

何気に距離を置く。

お風呂は特に。

だけど、最近はどんな事に対しても。
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